落ち込んでいる男性

ヘルペスの種類は全世界で100種類以上が確認されていますが、人間に感染するヘルペスウイルスは大きく分けて2種類に大別することができます。一つ目は、口唇ヘルペスや性器ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスHSVとされ、二つ目は水疱瘡や帯状疱疹を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルスVZVです。原因は、単純ヘルペスウイルスの場合には患者の粘膜や皮膚が直接接触することで感染する接触感染とされ、水痘・帯状疱疹ウイルスの場合には咳やくしゃみなどによる飛沫感染とされています。

ヘルペスは大きく分けて2種類!

ヘルペスは、水痘・帯状疱疹ウイルスVZVと単純ヘルペスウイルスHSVの2種類に大別されます。伝染性単核球症を引き起こすエプスタイン・バーウイルスや、伝染性単核球症に似た症状を引き起こすサイトメガロウイルスなど、9種類が人間に感染することが確認されているウイルスです。HSVには、口唇周辺や口腔内に痛みを伴う液体で満たされた小さな水疱を発症させるHSV1型に加え、生殖器官や泌尿器官に水疱や潰瘍を発症させるだけでなく鼠径リンパ節を腫れさせるHSV2型が存在します。しかし、現在では初性行為年齢の低年齢化やセックスの多様化によって、口唇ヘルペスを引き起こすHSV1型が生殖器官や泌尿器官で発症することが多くなっています。よって、性器ヘルペスを引き起こすHSV1型が口唇や咽頭部で発症することが多く、病原ウイルスの特定が難しくなっているのが現状です。2種類のウイルスは、口唇や生殖器官だけでなく眼や中枢神経系などさまざまな部位に症状を発症させることが確認されており、難治性の角膜ヘルペスや後遺症を患う脳症などを発症する危険なウイルスです。

VZVは、幼少期の子供達の大半が罹患する水痘とも呼ばれる水疱瘡を発症することで感染しますが、脊髄後根神経節への潜伏を経て顔面神経の膝神経節や毛様体神経節など全身の神経節に潜伏し、帯状疱疹として再発します。帯状疱疹は、患者の患部に直接接触しても帯状疱疹が発症することはなく、帯状疱疹ではなく水疱瘡を発症させます。帯状疱疹は、水疱瘡を引き起こした潜伏ウイルスが再活性化するメカニズムは解明されていませんが、過剰なストレスの蓄積に起因する自律神経の乱れや、疾病の罹患に起因する自己免疫系の機能低下が原因と考えられているのが現状です。脊髄後根神経節や耳神経節の潜伏ウイルスは、顔面神経痛や難聴などのラムゼイ・ハント症候群の症状を発症させ、肺胞の間質に炎症を引き起こし、肺組織を線維化させる肺臓炎の発症リスクを高くするウイルスです。帯状疱疹は、統計的に60歳以上の高齢者が発症しやすいとされるだけでなく、痛みが残る後遺症の帯状疱疹後神経痛を発症することが多いので、現在では50歳以上の方への帯状疱疹ワクチンの投与が可能となりました。

ヘルペスの原因ってなに?

ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスなどの再活性や感染が原因で発症しますが、接触感染と飛沫感染及び母子感染が原因でも発症しています。接触感染は、病原を無数に含む水疱や粘膜の排出物に触れることで発症しますが、口唇ヘルペスや性器ヘルペスは患者の粘膜や体液に直接接触する一般的なセックスやオーラルセックスが原因です。飛沫感染は、患者の咳やくしゃみに無数に含まれている病原体を吸い込むことで発症しますが、健常者の傷や粘膜に患者の咳やくしゃみに含まれる病原体が直接付着することも発症原因の一つです。母子感染は、四肢形成不全や中枢神経異常などの重篤な症状を発症する先天性水痘症候群だけでなく、母体から移行免疫を受け取れず致命率3割の新生児水痘症候群を発症することがあります。

ヘルペスウイルスは、患者の病変細胞に吸着して細胞内に侵入するだけでなく、細胞核に侵入して細胞核内で自身の遺伝子情報を取り囲むタンパク質であるカプシドを破る脱殻を行います。脱殻は、カプシドから患者の核膜孔を通じて遺伝子情報を放出し、患者の遺伝子情報を書き換えて細胞内の気質などを段階的にウイルス特異のタンパク質の合成を可能にする一つのプロセスです。脱殻は患者の細胞におけるタンパク質の合成を阻害する側面も持っており、感染細胞はヘルペス細胞と化してしまいます。増殖したウイルスは、患者の細胞から離脱拡散する最終プロセスで、患者の細胞膜を外膜エンベロープとしてまといます。そのため、ヘルペスウイルスは患者の全身の細胞と親和性が非常に高く、潜伏感染が可能になることが再発の原因です。

ヘルペスウイルスは、過剰なストレスの蓄積時や疾病の罹患時に再発することが多く、再発には自己免疫系と医薬効果が関係しています。自己免疫系や医薬効果が高く生存に不向きな生態環境時においては、複数の神経節に侵入し、比較的短い環状DNAを形成して休眠状態になります。環状DNAは、独立した染色体として安定的な維持を可能とし、体質や生活習慣によっては20年以上の休眠状態から再活性化して再発した患者も確認されています。ヘルペスは1度感染すると一生涯体内に病原を保有するキャリアになってしまい、キャリアであることが再発の一番の原因です。